アドレスNo.1は君
土曜日の昼間、約束していた携帯を買ってもらった。白のツヤツヤとした本体をうっとりと眺めながら設定を進めていく。着信時のライトの色まで設定出来るなんて。電話とメールで色を変えたらわかりやすいかな、とワクワクしながら考える。
月曜日に学校に行ったら友達の番号とアドレスを交換するんだ。
メールも電話も来ないのにずっと携帯をいじってしまう。気がついたら夜ご飯の時間だった。
夕食後、メールアドレスの設定も無事に終わったところで、インターフォンが鳴った。
「俺!!」
来るまで5秒とかからないのに、鳴は息を切らせていた。
ドアを開けると鳴が飛び込むように入ってくる。その手には、真新しい携帯が握りしめられていた。
「買ってもらった!!」
二人ではしゃぎながらリビングに移動する。
「アドレス交換しよ!」
赤外線送信でお互いの連絡先を交換する。
まだ家族のアドレスも登録していない。
私のアドレス帳の一番上に、成宮鳴の文字が輝いていた。
もちろん、鳴のアドレス帳の一番上には、私の名前が輝いていた。