イザーク、沖縄へ行く

「地球に視察。東アジア共和国の……旧日本に?」
「…………あぁ」
「随分と嫌そうね」
「他にやるべきことが山ほどあるというのに」
「……それは確かに、そうね。でもちょっと羨ましいわね」
「何がだ」
「母の出身地だもの。私にとっては行ってみたい場所よ」
「………………」
「いつか一緒に行きましょう。…………今回は下見だと思って、行ってきて」
「………………」


***


(ディアッカからのメッセージ……。写真が付いてる……)
『これを着るのが正しい作法って言ったらあっさり信じた』
(また適当なことを言ってごまかしたのね。写真は……)
「っ!?」
(随分と、陽気な服装……。こんな格好しているの初めて見た……。イザークも似合っているけれど、それ以上に……ディアッカが似合いすぎていて違和感がない……。凄い……)


***


「二人ともおかえりなさい。イザーク、熱でもあるの? 顔が赤いけれど」
「………………」
「あぁ、それ日焼け。こいつ誰よりも日焼け対策してたんだけど、誰よりも日に焼けてた」
「冷やさないと」
「それくらい自分でできる」
「ほっとけって。これ土産」
「ありがとう……。これは……」
(あの写真で二人が着ていた、陽気な柄の……シャツ……)
「ちゃんと似合いそうなの探すの苦労したんだぜ」
「えぇっと……ありがとう……。着させてもらうわね」
(どういう時に着ればいいのかしら……)
「お前も動揺が顔に出るタイプだよな。そっちはネタ。こっちが本題」
「ディアッカ相手に今更隠してもね。ありがとう。……お菓子ね」
「じゃあ俺帰るわ。またな」
「お疲れ様」


***


「ねぇ、どんなところだったの?」
「元は同じ国だったと思えないくらいに文化が違った」
「南国じゃないの?」
「そこは本州から離れた小島だから独自の文化が発展した場所らしい」
「……そうなの。まぁ、東アジア共和国といっても、それなりの広さがあるから、地方によって違いがあるのは当然ね」
「家の形から生えてる木、食事までまるで違う」
「…………それは……楽しそうね」
「仕事だ」
「そうね」
「行くときはちゃんと事前に調べておけよ」
「…………参考までに、今回の話を聞かせて」
「…………分かった」

2024/05/05に開催された『SUPER COMIC CITY 31 -day2- SUPER GERMINATED 2024』にて配布したペーパーより再録。