ミニゲームを作ったお話
2023年08月08日、イザークさんお誕生日記念ということで、「特別な日に」というミニADVゲームを公開しました。
制作後記も公開しているのですが、こちらではもう少し深く突っ込んだ話をしたいと思います。
※※当然ながらゲーム全般のネタバレを含みますので、ご注意ください※※
目次
0.制作決定するまで
SEED IMPACT様に参加したあと、創作活動は少しゆっくり目にしようかなぁ、と思っていたのですが。
いいミニゲームの案が出たかもしれない
— 藤原ひろ@2/28に運用終了 (@ginsei99) February 12, 2023
なんとミニゲームのプロットが出来ました!おやすみなさい!
— 藤原ひろ@2/28に運用終了 (@ginsei99) February 12, 2023
イベント後すぐにネタが降ってきたんですね。
私は基本的にネタも書き出しの文章も降ってこないと進まないタイプでして。
「星に還るまで」はずっと「ゲーム版を作っています」とお知らせはしていたのですが、書いている人間の想像よりもボリュームがものすごいことになっておりまして。
同人ゲーム作りについての調査や、素材の収集なんかはずっと水面下で進んでいるのですが、そういう部分って表に出すことはあまりしたくなくて。
ゲーム作りのノウハウ記事を読むと、大体必ず書いてあるのですよ。
いきなり長編ゲームを作ろうとするな。まずはミニゲームを一本作り上げてみろ、と。
本を作る時にも試し刷りの大切さを実感したので、長編ゲームを組む前に、何かミニゲームを作りたいな、とはずっと思っていたのです。
それが、ゆっくりしようかな、と思っていたイベント直後に降ってくるあたりが、なんといいますか、私らしいなぁと苦笑いしたのですが。
当時降ってきたネタは二つありまして、片方が始めから終わりまで綺麗にプロットとして形になったんですよね。
それがイザークさんのお誕生日記念ネタです。
当時二月中旬、誕生日まで約半年ほど期間がある。
これなら、八月公開を目標にしても、達成できるのではないか、と判断し、「特別な日に」の制作は決定しました。
~大公開! これが当時のプロットだ!~
・イザークへの誕生日プレゼントを選ぼう
・出かける場所から派生して選択するとか
・もうすぐイザークの誕生日である
・何をプレゼントしようか
・アイデアが浮かばない!どうしよう?
・本屋に行く
ケーキを作る
リンゴのバラとかいい
アラザンでシンプルなのもいい
手紙
・感謝
・好意
&バースデーカード
+クッキーを作る
「これは?」
「それは……。…………やっぱり返し」
※かわされた
ぺら
「帰ってから見て!!!」
手作りのもの……刺繍だ!!!
シャツの胸ポケットに刺繍
紙にも刺繍してカードに
ハンカチは意味的に没
アカデミーで縫い物するだろう
・ウインドウショッピングへ
アクセサリー
ペンダント?
認識タグではなく
香水
ユニセックスのがイメージ
ルームフレグランスにも出来る
匂いが移るというのもいい
移った匂いが違ってもいい、エロくなる
ディアッカが一発で気がつきそう
花
珍しいバラの品種
・身近なものから探す
酒
シャンパンかワインかなぁ
シャンパンってスパークリングワインの一種らしい
意味「幸せを祝福する」
時計
起き時計でもいいかも
「同じ時を歩んでいきましょう」だって!!!
・変わり種がいい
浴衣!!!!
ディアッカに紹介を頼もう
・プレゼントするものが決定した。
・【本屋】
→練習する時間が必要
・【本屋以外】
→専門店をめぐる旅へ。
これだ!というものを見つけるまで帰ってこれない
・当日、何とイザークの仕事が休みだった
・邸へ招待する
・お祝いして、プレゼントを渡す
~Happy End~
興奮すると記号を連打するオタクです。
初期構想なので細かい部分が結構違いますね。
1.制作開始! まず何をする?
ゲームの顔となる、メインタイトルの制作です。
Web公開だから解像度気にしなくてもいい! 最高! canvaで作れる! 最高!
と思いながらcanvaにて制作。
没パターンなどがcanvaに残っていたので、供養しましょう。


元画像は赤い色のプレゼントボックスでしたが、色調を調整して青に。
仮タイトルは英語でした。
でもなんとなく方向性というか、イメージというのか、コンセプトというのか、変わっていないですね。
2.画面設計は難しい
タイトル画面がなんとなく出来たので、次に手をつけたのは
・コンフィグ画面
・セーブ/ロード画面
・ゲームメイン画面/システムボタン
などの制作です。
要素が多くて時間がかかるのはわかっていたのですが、想像以上に難儀しています。
スマートフォンでプレイされる方を考慮して、スマホでも押しやすい、操作しやすい画面設計というのは、とても大変です。
・見づらい
・なんかまとまってない
・ダサい
「本当にこれでいいと思っているの?」と問いかけてくる自分と、「でも……! 精一杯やってるんだよ!」と思う自分とのせめぎあいです。
あと地味に悩んだのは「名前変換」機能をどこにいれるか。
ゲームだとよく、プレイを開始するときに名前設定することが多いと思いますが、
個人的にあれ結構めんどくさいと思っちゃうタイプなんですよね。
そんな、セーブデータごとに名前変えたりする?(変える方いらっしゃったらご一報ください)
と思い、コンフィグ画面の中に入れ込みました。
なお初期にはコンフィグと名前設定が別画面になっていたのですが、
「ゲームの設定するためにわざわざ二回もクリック(タップ)しないといけないの? めんどくさくない?」
という経緯で一つの画面にまとまりました。
メイン画面のシステムボタンは本編のゲームでもとてもとても難儀していまして。
スマホの画面が小さいから、凝ったデザインにしても潰れて見えなくなってしまうんですよね。
結局、水色の縁取りをしたシンプルなボタンになりましたが、ゲーム開始時にピンク背景の画像から始まり、
「このピンクと水色って大丈夫!?」とひやりとしたのはもう少し先のお話です。
選択肢のボタンとか、マウスオーバーで画像が切り替わったりするのは作っていて楽しいです。
スマホだとほとんど表示されないのが悲しいのですが…。
3.シナリオを書こう!
選択肢があるシナリオって恐ろしいです。
書いても書いても終わりませんでした。
基本的に起承転結の順に書いていくのですが、普通の小説ではなく、ゲームのシナリオです。
表示エリアが制限されているので、一文の文字数もそんなに長くないほうがよく。
分岐する箇所があれば、シナリオが合流する箇所もあります。
違和感が……出ない……ように……したつもりです……!
あまりにも書いても書いても終わらない。
(当時一つのお話として最長だったのは同人誌「喜びに満ち、悲しみに満ち」の二万文字でしたが、余裕で最長文字数を更新しました)
一度血迷ってイザークさんが登場するシーンで話を完結させようとしました。
もうここでよくない? 話の区切りもついているし……。
と悪魔が囁く中、天使が
これで終わりにするとイザークさんのセリフが「うわっ!?」の一言だけだよ。誰の誕生日のお祝いなの?と真っ当な指摘。
そして「プロットには書いてないけど誕生日といういい雰囲気だったらこの二人もキスくらいするんじゃない!?」という野望が叶えられていないじゃないか!
ということで己を叱咤激励しつつどうにかテキストが仕上がりました。
本当に書き上げてよかったです。
疲れていても悪魔の囁きに耳を傾けてはいけないという教訓でした。
4.素材の用意をしよう!
ゲームを組むのに必要なのは、
・背景画像
・BGM
・SE
です。
一つずつ見ていきましょう。
◆背景画像◆
AI生成画像がなければゲームは完成しなかったといってもいいです。
主人公の部屋とか屋敷などはほとんどAI生成したものです。
既存の素材ではどうしてもイメージに合うものが見つけられず…。
何よりもリテイクするときに生成ボタンをもう一度押すだけというのがとても楽です。
シナリオが色んな場所に出かけるものだったので、悲鳴をあげたりしつつ。
一番困ったのは「ミリタリーウォッチを調達するシーン」です。
軍隊のものを売っているお店の画像なんてほとんど見つけられず……。
AI生成でそれっぽい(と思ったもの)を採用しています。
ちなみに苦労した箇所二位は「貯蔵室」です。
こちらもAI生成したものを採用しています。
細かいのですが、主人公部屋の机、昼と夜の差分があります。
こういうのも、ゲーム作りの醍醐味だな~と思います。
◆BGM◆
DOVA-SYNDROME様がなければゲームは完成しなかったといってもいいです。
もともと同人ゲームをプレイする人間で、気に入ったBGMをローカルで再生したい!という気持ちからBGM素材のサイトなどは知っていました。
作業している時はBGM選定のためにほとんどずっと音楽をかけていました。
もともと素材集めはしていたのですが、星に還るまでの本編はシリアスで、後日談は180度雰囲気が変わるため、手持ちの素材が使えないという……。
合計すると何曲聞いたのかは数えていませんが、相当な数を聞いていると思います。
イメージが固まっていたシーン
・タイトル画面は絶対にオルゴール!
・お酒を買いに行くシーンはジャズピアノ!
は早々に決まったのですが、決まっているシーンの方が少なく、加えてBGMは組み込んでみるとテキストと合ってない気がするという謎の現象があり、かなり土壇場まで決定しませんでした。
そして曲が決まらないということは、ExtraのSoundListも決まりません。
ゲーム作りというのは大変です。
◆効果音◆
ゲームを作るということで、個人的に一番楽しみにしていたのが効果音の演出でした。
作中でクラッカーを鳴らすシーンがあるので、「絶対SE入れるー!」と楽しみにしていた箇所です。
あとは扉をノックする音と時計の針の音!
どのタイミングでどのように音を鳴らすか、というのは新しい楽しみでした。
5.ゲームを組み込もう!
いきなり全部のテキストを流し込むとデバッグ作業で死ぬと勘が働いたので、まずは選択肢によるルートの生成からです。
「本屋に行く」を選んだら「本屋に行く」というテキストを表示して、
「右」か「左」かの選択肢を表示して、「右」を選び、
「ケーキ作り中」←ルート分岐
「イザークさん到着」←シナリオ合流点
「ケーキをプレゼントしました」←エンディング到達
という簡素なものでシナリオ分岐と、エンディングリストが埋まることを全ルートで確認します。
これを最初にやっていたので、デバッグ作業ではルート分岐の方はほとんど触っていません。
(なおもっと大変なことが待っています)
シナリオを流し込み、背景画像を表示し、指定したBGMをかける。
ゲームっぽい!と我ながら感動しました。
まぁ、楽しい作業ってあっという間に終わってしまうのですが…。
6.スマホに対応しよう!
すっごく苦労しました。
BGM素材の読み込みも、背景画像の読み込みも、スマホだとすごく時間がかかります。
PCとスマホの馬力の差というものをこれでもか、という程に実感しました。
加えてiOSの独特さ。
iPhoneユーザーなのにiOSのことが好きじゃなくなりました。
じゃあGoogle好きなのかと言われたらそれに頷く訳でもないのですが……。
個人が趣味で作成しているもので、〝完璧〟を目指すことの限界というものを実感しました。
メインの方のデバッグは結構早めに完了したのですが、
スマホ対応の方は結構ギリギリまで粘っていました。
どこでどのデータを読み込むようにするのか、本当に悩ましいです。
結局、スマホ版は「頭から最後までプレイしたらそれなりにスムーズに進められる」
ところを終着点としました。
セーブデータをロードしたときとかはちょっと読み込みに時間がかかる可能性があります。
7.お世話になった素材など
「特別な日に」紹介ページでもCreditを表示しております。
いくつかピックアップして語らせてください。
◆タイトル画面曲「ふれるきょり」
少し上でも語ったのですが、タイトル画面の曲はオルゴール!と決めていたので割とあっさり決まりました。
もう出だしを聞いた時から「あっ! 今回はこの曲だ!」と即決です。
でもタイトル画面を一番最初に作り上げていたので、
デバッグのたびに何度も何度もタイトル画面を通ることになり、作業後半は同じ曲を聞きすぎて「あ゛ーーーー!」ってなってました。
次回作があるならタイトル画面のBGMは最後につけます。
◆日常シーン、「やさしいひととき」等、のる様
この方の柔らかくて穏やかなピアノ曲が大好きでして、後日談の雰囲気にもピッタリだなぁ、と思い色々と使用させていただきました。
日常シーンでもBGMが変わるとシーンの切り替わりが明確になってメリハリがつくといいますか。
でもあんまり頻繁に曲が変わると読み込みに時間がかかるので、塩梅が難しいです。
どの曲もとても素敵なのですが、「I will dance to your music」が演出的に思い出深いです。
ラストシーンは、もう一曲候補のものがあったのですが、出だしのインパクトが「I will dance to your music」の方が合っているな~と思い決定しました。
◆隠れた社
絶対に和の曲!と決めていました。
なかなか組み込んでみてもしっくりする曲がなくて、結構ギリギリに決まりました。
BGMは当初は6~8曲くらい?と思っていたのですが気が付いたら結構な数が増えていました…。
ローカルでプレイリストを作って聞き返したりしています。
(恐ろしいほど作業が捗ります)
フリーBGMの沼に落ちた方がいらっしゃったら嬉しいです。
8.ブラウザノベル版の制作
スマホブラウザの対応が思ったよりも大変で、
(制作開始前はこれほど苦労するとは思っていなかったのです…)
「そもそも起動しなかった方向けに普通に小説として読めるようにしなければ」
と割とギリギリで気が付きました。
危うく「PCを持っていない、スマホでも起動しなかった」方がお話が読めなくなってしまうところでした。
これは私の個人的な理念なのですが、そんなことはあってはならないのです。
音楽やSE、背景画像の演出すべてカットです。
でも、スマホだとどうしてもゲームの起動には時間がかかるので、
気軽に読み返したいときはこちらの方がいいな~と思いました。
私も読み返したくなったときはこちらを利用しています。
それぞれに長所と短所があって、その時の状況に応じて選択出来るといいのかな、と思いました。
9.最後に
ゲームをプレイしてくださった皆様、
ノベル版にてお読みくださった皆様、
本当にありがとうございます!
後日談ページに掲載したミニアンケートにもご回答いただけまして、ありがたい限りです。
同人ゲーム作りのノウハウ記事なんかも読んでいたのですが、
大体どの記事にも、「小さいものでいいから、まずは一本完成させよう」と書いてあり、
完成させた今となってはこの言葉の通りだなぁと思うことしきりです。
制作中(主にスマホ対応中)は「本当に完成するの……?」とずっと思っていましたが、
どうにか公開にこぎつけました。
「星に還るまで」のゲーム版完成まで頑張ります。
そしてまたもや、長い記事をお読みいただきありがとうございます!